拾われた猫。
第二章
薄桃色
「久しぶりだね、雨」
真っ暗な空間で、一際輝く彼は優雅に笑った。
私はまた彼の夢を見ているらしい。
「フフッ。
私に会えて嬉しいというわけじゃなさそうだ」
フワリと私の方に来て、緋い髪をサラリと撫でる。
不思議と嫌悪感は感じない。
「どうやらこの世界はお前にとって有効らしいな」
怪しい笑みを浮かべた。
「…どういうこと?」
私の問いに、ただ笑っていた。
何も答えないということは、教えられないという意味だろうか。
少し殺気を放ちながら睨みつける。