宛先は天国ですか?
プロローグ
わたし、実は天国の両親と文通してます。
なんて、きっと言ったらアホの子だと思われてしまうだろう。
たまっていくお手紙に目を向けて、大きくため息をついた。
両親が亡くなったのは小学1年生の時のことだった。
交通事故でいきなりこの世を去ってしまった2人。
わけのわからないまま黒い服を着せられ、火葬場でやっと両親とお別れであると実感した。
暴れに暴れ親戚には迷惑をかけた。
わたしは、両親と住んでいた場所と同じ県内にある祖父母と住むことになった。
叔父叔母に引き取られそうだったが、そちらにも子供がいるし都会だし。
そこそこ都会、という場所に暮らしてるわたしには、大都会の空気は合わなかった。
結局祖父母に引き取られ、近くの小学校に転校することになった。