宛先は天国ですか?



璃子から見せてもらった写真通りの、ちゃらさの否めない人。

時間に遅れたことに、なんだか笑って謝っているようで、璃子が大丈夫だと笑っている。


「時間にルーズな人は嫌だなぁ」

ムッとして呟くと、将太さんが隣でくすっと笑った。

「それは暖々さんの好みでしょう」

まったく、と言いながら頭を優しくなでてくる。

いつもいつも、慣れた手つきで、こういうことに慣れているのかなと悲しくなる。


「…あれ?」

まじまじと璃子たちを見ていて、なんだか違和感に気が付いた。

璃子がこちらだと歩いていこうとすると、その腕をつかむ相手の人。

不思議そうな顔をする璃子の腕をぎゅっと掴み、振り払おうとしても振り払えないらしい。

そのまま何か話した彼は、首を振り嫌がる璃子を無理やり引っ張る。


「…将太さん、あれ、なんか璃子嫌がってない?」

隣で、わたしと同じように不思議そうに彼らを見つめていた将太さんに問うと、将太さんはわたしを見て頷いた。

「確かに、嫌がっているように見えますね」

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