宛先は天国ですか?
だって中間よりも期末の方が教科数が多いのに、ギリギリに勉強したら赤点だからね。
璃子はまだ余裕っしょ、なんて言っていたけれど。
「それで、」
璃子がわたしの前の席に座る。
わたしの机に肘をつき頬杖をついた璃子が、じいっと私の目を見る。
わたしはその視線に少し怯みながら、「どうかした?」と首を傾げた。
「いや、ここ数日、なんだかよそよそしいなぁ、と思って」
何もかも見透かすような、わたしの裏まで見透かすような目。
じいっと見つめられてしまって、目をそらすことができない。
「あー、それ、私も思ってたんだよね」
璃子に便乗して、環奈ちゃんもそう言いわたしの側にしゃがむ。
「何かあった?」と心配する目が、やけに尖って心に突き刺さるようだ。
ズキズキと、ヒリヒリと、心が痛むみたいだ。
「…別に、なんも、ないよ?」