宛先は天国ですか?
帰ったら、祖父母に教えてあげたいことがたくさんできた。
また説明をしたりして、自分も理解を深めないとなぁ。
殴り書きされたメモを見ながらそんなことを思った。
「それじゃあ、多目的室に戻りましょうか」
病棟の人の合図で、ついていった看護師さんにお礼を言い多目的室に戻る。
ちらっと目に入った璃子の姿と、わたしを見てから目をそらした環奈ちゃんに胸が痛む。
すっかり違う世界にいる気分だったけど、一気に現実に引き戻されたみたい。
…ああ、友達にすら素直になれないくせに、人のお世話なんて、わたしにできるのかな。
胸がズキズキと痛んでいるのを感じながら、わたしは席に戻った。
ストンと腰を落とすと、なんだか気分も落ちて虚しくなってしまう。
ため息をつきそうになるのをぐっとこらえて、わたしはきちんと席に座る。
膝の上に手を置いていると、少しして全員集まったらしく指導者の代表の方が前に立った。