宛先は天国ですか?



そんなわたしに、将太さんはふぅと息をついた。

それからすっと手を伸ばすと、ぽんぽんと優しく頭をなでてくる。


「…なんですか」

むっと頬を膨らまして、いかにも不機嫌ですと言いたげな声で言うと、将太さんはふふっと微笑んだ。

ああなんか、宥められているような感じがするのは気のせいだろうか。

いやきっと、気のせいなんかじゃない気がするのだけれど。


「いや、前向きな回答をしてくれたので、頑張ってくださいという意味を込めて」

頑張れと付け足して、またふわりと頭をなでてくれた。

恋人にやるような感じのじゃなくて、なんかこう、親が子供にやるような、そんな感じでわたしの頭をなでる将太さん。

子供扱いは嫌なはずなのに、こうして触れてもらえることは嬉しい。

だから、まあ別に構わないかななんて思ってしまう。

…今はまだ、このままでもいいかな。

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