宛先は天国ですか?
それに対して将太さんは、いえいえと目を細めて微笑んだ。
嬉しそうなその笑顔に、わたしも嬉しくなって微笑んだ。
「いえいえ、むしろ、あれくらいのことしか送れなくて申し訳ない」
「十分ですよ。応援してもらえて、嬉しかったですし」
…将太さんの言葉に、自然と口から出てきた返事の言葉。
深く考えずにこぼした声は、ちゃんと素直に嬉しいと言ってくれた。
深くあれこれ考えるから、だめなのかな。
もっと、思ったままに行動したほうがいいのかな。
そんなことを考えて、わたしはふと息をついた。
「…と、そろそろ帰りましょうか」
ゆっくりと会話を進めていたためか、いつの間にか飲み終わってしまっていた。
あんまり話していないようにも思うけれど、もう随分と一緒にいたようだ。
「そうですね」
ニコリと笑いかけて、席を立ち上がる。
…素直になることも大切ですよ。
将太さんの言葉がふと頭をよぎって、わたしは小さく微笑んだ。
…素直になれ、わたし。
そう、ひたすら自分に言い聞かせた。