宛先は天国ですか？

「それにしても、」

2人して笑っていると、璃子がふと呟いた。

チラッとわたしの方を見て、ふふっとまた笑みを浮かべる。


「こうやって、暖々と恋話できて、ほんと嬉しいなぁ。

いつもいつも、あたしばかりが話してたでしょう？」

だから、と言って嬉しそうに笑った璃子を見て、少し申し訳なくなった。

確かにいつもいつも、わたしは自分の本音を隠してばかりだった。

好きな人のことを正直に話したことなんてなかった気がする。


わたしも、わたしと話すことが嬉しいと言ってくれることが、また嬉しかった。


「わたしも、璃子と恋話できて嬉しい。もっと早くから話していればよかった」

損した気分、と言って肩をすくめると、璃子はほんとだよとため息混じりに言った。


「まあ、その分たーっくさん話してもらうからね！」

「えー、そんな話すことないけどなぁ」


また前みたいに笑い合える。

落ち着くその関係に、わたしはほっと胸をなでおろした。


とりあえず、仲直りできた。

前よりももっといい関係に、わたしたちならなれるよね。