宛先は天国ですか?
わたしは口の中にあるものをごくんと飲み込んでから、「はーい」と気だるく返事をした。
それに対して、祖父が仕方ないなと言いたげに笑う。
ご飯を食べ終わったわたしは、宿題をやるという名目のもと自室へ向かった。
自室にて、スマホを出して、友人からきているトークに返事をする。
ちなみに、祖父母とはメールで連絡をとっている。
このスマホは、心配性の祖父が中学に入る際に買ってくれたものだった。
友達と出かけたりするから、と思っていたみたいだが、部活中心に回ってたわたしの中学生活の中ではあまり必要なかった。
高校になってやっと、こうして遠くにいる友人と連絡を取り合うようになったくらい。
「…来週の土曜日、」
ぽそっと呟いてスマホの中に予定を入れる。
1週間も心臓もつかな、なんて考えながら、わたしはスマホの電源を落とした。