宛先は天国ですか?
エピローグ
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もうすぐに迫った最後の病院実習。
長いそれを乗り切れば、あとは2月の国家試験だ。
実習に向けた勉強を進め、それからまた別のことをし始める。
久しぶりに、両親に手紙が書いてみたくなったのだ。
…なんていうのは口実で、最近は電話でしか会話をしていない将太さんと、久しぶりに文通でもしたくなったのだ。
電話で声を聞くのもいいけれど、手紙だともっと、素直になれる気がして。
宛名は、知っていた。
付き合ってから、年賀状を交換するようになったから。
だけど、今日だけはなんとなく、天国の両親へと宛ててみたくなった。
ほんと、なんとなくだ。
届くわけないことも、それこそ捨てられてしまうであろうことも予想できていた。
書き終わった手紙を手に取りジッと眺めてみる。
突如、すぐ近くにおいてあった携帯がチカっと光った。
覗いてみると、将太さんから電話がきていて、マナーモードにしていたため音が鳴らなかったのだと察した。