宛先は天国ですか?



…いや、お姉ちゃんというか、姉御?

どちらかというと、姉貴みたいな感じかもしれない。


「あー、そういえば次ってなんだっけ」

話をそらすように、環奈ちゃんが時間割を見ながら尋ねてきた。

そういえばと思い出していると、チャイムが鳴ってしまう。

「あ、確か家庭科、だったかな…」

思い出して告げた瞬間に、がらっと教室の扉が開いた。

厳しそうで、でもふわふわとしたいかにも家庭的な先生が入ってくる。


「先生待って!教科書取ってくるから!」

環奈ちゃんはそう叫ぶと、廊下にあるロッカーの方へとかけていった。

それに対して、家庭科の早野先生はクスッと笑う。


「もう、ちゃんと放課のうちに準備しておいてよー」

ふふっと笑みを浮かべる早野先生は、普通科目の先生の中でも人気を誇る愛らしい先生である。

普通科目は基本ゆるい先生が多くて、接しやすい人が多い。

その中でも早野先生は、接しやすい上に若くて可愛いし性格もふわふわとしている。

一言で言って、癒やし。

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