宛先は天国ですか?
しばらく、とはいえ目的は買い物であるためそう長くはないが、のんびりとしたあとお店を出た。
夕飯前だからと一つにしておいて正解だったかもしれない。
聖也は二つ食べてもまだまだいけると言っていたが、わたしは一つでも結構お腹が膨れた。
「さてと、さっさと買い物済ませるかー!」
くっと伸びをしながら、聖也は笑いながらそう言った。
聖也の行きたかったお店はほんとに駅から近かった。
歩いて数分くらいでついてしまったから、会話が少なくてもそう苦痛ではなかった。
…聖也の行きたかったお店というのは、どうやら漫画やアニメのグッズが売ってるお店らしい。
わたしには全く縁のないお店である。
「…聖也、結局何が買いたかったの?」
真っ先に何かのコーナーの方に駆けていった聖也を追いかけて問うた。
聖也は漫画とキーホルダーをいろいろと手に取り見ながら、
「漫画の最新刊と、このキーホルダー!
漫画の方は予約したから、カウンターの方で受け取るだけなんだけどさ!」
嬉しそうに笑いながらそう言った。