宛先は天国ですか?
…それ、わたしがついてきた意味あるのかなぁ…。
ふと疑問に思ったけれど、聖也の子供みたいな無邪気な笑みを見れたし、まあいいか。
背が高くておちゃらけキャラだけど頼りにはなるような、そんな聖也の子供みたいな一面。
そんな一面が見れただけで良しとしよう。
「それじゃあ買ってくるなー」
キーホルダーを手に取り、聖也はレジカウンターの方へと歩いていく。
その背中を見送ってから、わたしはそのコーナーにある品を眺めた。
なんの漫画か分からないけれど、絵は好きだなぁ…。
そんなことを考えていると、そのうち嬉しそうな顔をした聖也が戻ってきた。
「それじゃあ帰るかー」
そう言われ時計を見ると、そろそろ6時になる頃だろう。
そうしてお店を出て歩いているうちに、曲がり角を曲がった時、見覚えのある姿を見つけた。
配達員の姿で、どこかの家から出てくる誰か。
わたしは慌てて駆け出して、その人の肩を叩いた。