宛先は天国ですか?
祖母に背を向けて、駅へと向かって早歩きをした。
間に合わないわけではない、念のためだ。
わたしの通っている高校は、看護科1クラスと福祉科1クラスという特殊な学校。
ちなみにわたしが通っているのか看護科で、20歳には免許取得できる…はず。
あくまでもうまくいけばの話で、劣等生のわたしには果たして“うまく”いけるのか。
看護科の高校というだけあって、家の近所にはなく電車で1時間ほどかかる。
1人で毎日1時間は寂しいものだと、携帯を取り出してトークを送った。
そんな日常。
手紙は今鞄の中。
いつも帰りにポストに投函している。
この手紙の返事を返してくれる彼に、会ってみたいと願うばかりだ。
会えなければ会えないほど、想いだけが募っていく。
そんな、日常。