宛先は天国ですか?
手の焼ける妹をもったものだと、まるでそう言いたそうだ。
…出会って1ヶ月、積極的に会って話をしているはずなのにこの扱い。
なんだかこのまま妹みたいな存在から、昇格できない気がしてきた。
…というか、会うたび会うたび、だんだんと妹扱いに度が増してきている気がする。
「はぁ、まあ、とりあえず百均に行きましょうか」
歩き始めた将太さんに、「待って」と声をかける。
「あの、家の人に電話してからでもいいですか…?」
将太さんからの了承を得て、ひとまず祖母に電話をかけた。
メモ帳と暗記用のオレンジ色のペンが欲しいから百均によって行くと説明すると、渋々ではあったが承諾してくれた。
ただ、なるべく早く帰ってきなさいと釘をさされはしたが。
「遅くなると、家の人も心配するでしょう?」
帰っては?と将太さんは心配そうな顔をしてわたしを見た。
わたしはそれに、ふるふると首を横に振る。
「大丈夫です、買いたいものもありますし」