宛先は天国ですか?
歩いている最中、いつも通りの近道を行った先にいる、見覚えのある影を見つけた。
もちろん、将太さんではない。
制服を着て、楽しそうに話をしながらこちらへ向かってくる2人。
わたしは思わずすぐ横の道の方へと逃げていく。
…中学校の同級生たちだった。
別に、なにかやましいことがあったわけではない。
イジメられたとか、特別嫌なことをされたわけではない。
ただ、言葉の節々にある棘が、いつもいつもわたしを傷付けていた。
やめてと言えないわたしを、楽しそうに傷付けていた。
彼女らがなにか悪いことをしたかといえば何とも言えない。
それでも、彼女たちと会いたくなかった。
会うたび、話すたびに、チクチクと心が痛むから。
冷たい言葉を平気で口にする彼女たちに、また傷付けられるのが怖くて。
…でも、この町に住んでいる限りは会う可能性だって十分あるのだから。
そう考えて、少し悲しくなった。