光の向こう側へ
ァタシは
呆然としていた。




−−−今何が起こった?




あまりに
事が早く起こりすぎて
頭が混乱している。





ァタシ…助かったの?








『家どこなん?送るから』





その声にハッとした。





家?家に帰るの?





…嫌!!帰りたくない!!





もう一人は嫌だ!!



嫌だよぉ…











ァタシの目から
涙が流れているのを見て、
男は焦った。






『な、何泣いてんねん?!』




『…りたくなぃ…』





『え?』





『帰りたくない…』





ァタシが男を見上げた顔が
涙でぐしゃぐしゃだったので
男はうろたえた。






『ほんならどうすんねん?…』






ァタシは男に
抱き着いていた。






男は最初戸惑ったが
ァタシを強く抱きしめ返してくれた。






…温かい。





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