光の向こう側へ
病院に運ばれたァタシ。



顔には白い布が
かけられた。




しばらくして
お母さんが
来た。






−−−あ。






まぁ家族が死んだら
来るのは
当たり前なんだけど…
ちょっと驚いた。





『サツキィィィ!!』




お母さんはァタシに
抱き着いて
泣いた。





ァタシも泣いた。


きっと霊体だから
ァタシの涙は
この世に存在
しないんだろうけど
確かにァタシは
涙を流していた。





親が泣いてるところを
見るのって
こんなに悲しい
事なんだね…









その夜ァタシの体は
病院でお母さんと
一夜を過ごした。





お母さんは
ァタシに話し掛ける。






『サツキ…
まさかこんなことに
なるなんて…
アンタには
ずっと迷惑かけっぱなし
やったなぁ…
ホンマに悪かった。

こんな事になるなら
もっと一緒に
おれば良かったゎ…

女同士の買い物とか
旅行とか
色々すれば
良かったな…』





お母さんは
泣き続けた。


ひたすらァタシに
謝りながら。




『アンタはきっと
ァタシを憎んでるやろな…
こんなお母さんで
ホンマにごめんな…』






お母さん
謝らんといて!


ァタシ全然
憎んでなんかない!


お母さん…
お弁当おいしかった。


めちゃ嬉しかってん。










…この声が届くことはない


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