光の向こう側へ
ァタシが火葬される日。
棺が火葬場へ運ばれた。
『お母さんのところに
産まれて来てくれて
ありがとう。』
お母さんが
つぶやいた。
ちゃんと届いたよ。
ァタシね、
自分は不幸だって
思い続けてたけど
今はそうは思わない。
ァタシ幸せだった。
それに気付けなかっただけ。
産まれてこれて良かった。
心からそう思う。
それから、
もう2度と会うことはない
アキラ。
ァタシが
死んだことすら
一生知ることはないね。
だけどあなたのおかげで
生きたいと思えた。
きっとあなたに出会わなければ
【生きてて良かった】
なんて気持ちに
なれなかった。
ありがとう。
−−一緒に居たのは
ほんの少しで
あなたのことなんて
名前しか知らないけれど
確かにァタシは
あなたに恋をした。