秋の空と女子高生
彼女達のキラキラした感じはかつては僕も持っていたのだろうと思えた。
背の高い方の女の子が低い方の女の子の肩を叩いて笑った。
制服はまだ多分夏服なのだろうと思えた。
彼女達にも当然悩みは有るだろうしそれは、思春期独特のある種の苦しさを伴う物だろう。
だが、こうして道端で周りの目も気にせずはしゃいでそしてその感じがとてもキラキラしてるのは今だからだろう。
僕は少しずつしか車が動かない為に彼女達を観察するのが楽しかった。
かつては自分自身にもあっただろうと思える物を今彼女達が出していた。
大袈裟に言えば世界は自分達を中心に回っていてこの先の未来はきっと明るいと思える力を彼女達から感じた。
それは彼女達にとっては全くの検討違いかも知れないが僕自身はかつてはそうだった。
僕は煙草を消すとガムを取り出して噛んだ。
口の中がスッとする。
一時的でも良いから口の中をスッとさせたかった。
ガムを噛む事で彼女達に近づけるとは当然思ってないが煙草とコーヒーで胸がむかついていたのが少しはましになった。
何より彼女達が出す空気感を僕が汚したくないように思えたのだ。