好きとか嫌いとか。
「そういえばお名前聞いてもいい?」
早苗さんは次々にケーキを出して、私の目の前に座った。
「菊池風香です。」
「風香ちゃん!よろしくね!」
ニッコリと微笑む早苗さんにできるだけの笑顔で微笑んだ。
「風香ちゃんは何歳?ここら辺に住んでるの?」
「19歳です、ここは友達の家があって、。」
「じゃあまた来る機会ある?私、ケーキ作っても味見してくれる人いなくて困ってるの。」
「え、あぁ。。」
バイト先の一回ヤッた人の家なんて言えない。
「よかったー!またお願いね♪」
早苗さんはニコニコとキッチンに行ってしまった。
このままでは早苗さんのペースにのまれてしまう、早く食べて出なければ。
「すみませーん」
入り口のドアに目をやるとすらっと背の高い男の人。
早苗さんはキッチンに行ってしまっている。
私が言うべきか、でもなんて言えば。
「あれ、いないのかな?」
男の人が出ようとしたとき、
「あ、あのっ、待ってください。呼びます。」
とっさに声をかけてしまった。
「あ、はい。」
私は早苗さんを呼んだ。