肉食系御曹司の餌食になりました
湯の表面がモコモコの泡で覆われているからこそ、一緒に入ろうという誘いに乗ったのに、それは困る。
裸をじっくりと見られるのは恥ずかしく、私の体はどう評価されるのかと、気になって落ち着かない。
「恥ずかしいから嫌です」と断っても、「そういう表情も見てみたい」と言われ、抱え上げられてジャグジーの縁に座らされた。
背中は壁で、両足は湯の中に。
泡が体にまとわりついて隠してくれていたのに、彼が手でお湯を掬ってかけるから、つるりと滑り落ちて明るい光の中に晒された。
メガネを外しているので視界はぼやけても、私の胸やお腹や太ももに、撫でるように彼の視線が動くのが伝わってくる。
胸は人並みより少し大きめで、ウエストは細め。
背中や胸元の開いたステージ衣装を着るから、スタイルや肌質には気をつけているつもりだった。
自信がないわけじゃないけれど、きっと彼の歴代の彼女達の方が優れているだろうと想像して、胸元を隠してしまう。
すると湯に浸かりながら眺めている彼が、「美しいですよ」と褒めてくれた。
「本当ですか?」
「もちろん。あなたは誰より美しい。自信を持って下さい。さあ、手を外して、全てを見せて下さい」