肉食系御曹司の餌食になりました
その褒め言葉は過大評価に違いないが、彼の目にはそこそこ美しく映るのだろうと安心して、腕を外した。
肌を滑る、彼の視線がくすぐったい。
触られていないのに、体が内側から火照り出し、息が熱くなるのを感じていた。
そのうちに、見られるだけの状況が物足りなくなる。
触れてほしい。その指先と唇で。
筋肉質の胸に抱かれて、もっとあなたを感じさせて……。
言葉に出さずとも気持ちは表情に表れていたようで、彼が湯の中に立ち上がった。
均整の取れた筋肉美を惜しげもなく披露する彼は、スーツ姿のときとまた違った魅力に溢れ、ゾクゾクするほどの色香を放つ。
甘い瞳は私を見下ろし、指先は顎の下に。
上を向かされるとすぐに唇が覆われて、湯気の中で舌を絡め合った。
深く濃厚な長いキスで私を十分に蕩けさせてから、熱い舌先が移動を始める。
私の唇を離れて下へ、さらに下へと。
この水音は湯の音なのか、それとも私の音なのか……。
強烈な快感に喘いでいたら、突如刺激がやんで、体を横抱きに抱え上げられた。
チュッと軽いキスをくれてから、彼が上気した顔で言う。
「続きはベッドで。これ以上は我慢できません」