サヨナラの行方



「たかが、上に昇りたいだけのために悠月を利用したんですか⁉最低……!」



話し終えた第一声はソレだった。



「散々、悠月にも言われたな」



思い出すように言う。

不倫を始めた最初に言われ、その後も何かと言われた。

挙げ句、こういう結果になってしまったのだから、最低以外何者でもない。



「そんなちっぽけなモノで、悠月の人生変えたんですよ?分かっていますか?」



ちっぽけなモノ。

そう言われると、何も言えない。

こうなってしまった今、俺が本当に欲しかったモノはなんだったのだろうと考えてしまう。

こういう結末を望んでいた訳じゃない。

だけど、この先悠月とどう付き合っていくのかとか考えていなかった。

本当に、行き当たりばったりだったんだ。




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