サヨナラの行方
2人きりの資料室で急に言われた言葉に、私は唖然としてしまった。
気持ちを知られてしまっていた、とかそういうことじゃない。
問題は、そのあとの言葉だ。
付き合うって何?
今の言い方は、あきらかに本気じゃない。
楽しんでいるだけだ。
そんなので付き合うのか?
イヤ、自分が傷つくだけだと思う。
だったら、話しに乗らない方が身のため。
「好きじゃないの?」
資料を探している私に近づいてきて、わざと耳元で囁くように言う。
自分の使い方をよく分かっている。
どこも触れていないのに、それだけでドキドキが止まらない。
おそらく、顔は赤いはず。
この状態で何かを言われたら、頷くしかなくなってしまう。