サヨナラの行方



名前で呼ばれた事実に、心臓が高鳴る。

ドキドキが止まらなくて、口から心臓が飛び出そうだ。

私がパニックになっている状況を分かっているのだろう。

ニヤリと口角が上がる。

かと思えば、唇と唇が微かに触れる。



「ちょっと、何をやって……」



文句の一つでも言おうと思ったら、今度は深く唇を奪われた。



「んっ……や、ん」



私の反論なんて受け付けないとでも言うかのように、激しさを増す。

息さえもなかなか出来なくて、苦しくなる。

彼の胸を押してなんとか抵抗するけど、彼にはきかないらしい。

器用に、私の手を彼の胸から外す。



「ちょっ……」



それだけならいいものの、彼の手は私の服の中に忍び込んでくる。




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