サヨナラの行方
「わ、分かりましたっ」
これ以上はヤバイと思ったから、勢いよく押したくった。
息も切れきれになっている私の力は弱々しくて、彼には全然ダメージがない。
何?って顔して、にっこり笑っている。
「分かったってことは、付き合う?」
「……何で私なんですか。主任なら選びたい放題じゃないですか」
それが1番聞きたかった。
遊びの相手なら、私じゃなくてもいっぱいいるはず。
会社でコレなんだから、外でも選びたい放題だと思う。
なのになぜ、1番身近な私を選ぶのか。
遊び相手たするには、1番不向きなポジションにいるはずなのに。
「悠月だからいいんだろう。身近で、ちゃんと俺の言うことを聞いてくれるし」
結局は、忠犬でも欲しいのだろうか。