サヨナラの行方
12th*揺れる気持ち
こんなことをしたかった訳じゃない。
こんなことを望んだ訳じゃない。
課長の元を去る時、それなりの覚悟を持って去った。
ある理由から死んだことにすると決めた時も、2度と逢うことはない。
2度と元には戻れないと、覚悟したはずなのに。
今、目の前にある現実を受け止めることが出来なかった。
だって、死んだことにすれば絶対逢うことはないと思っていたのに。
課長もスゴく驚いていたけど、冷静だった。
私の状況を考えて、すぐにホテルへ移動してくれた。
そして、直前まで逢っていた真琴のことを気にしてくれた。
驚きですっかり忘れていた私とは、全然違う。
『そういうことだったのね』
なかなか来ない私を気にしていたのだろう。
課長に言われて電話をして、今の状況を話した。
そしたら、納得するように言われた。