サヨナラの行方



そんなこと出来る訳がないと、まこちゃんも分かっているはずなのに。

離れてからのことは、何も言わない、知られてはいけないと覚悟を決めて死んだことにしたのに。

結局見つかってしまった今、そんな努力も虚しく感じる。

でも、見つかったからと言って、全てを知られた訳じゃない。

コレは、自分が話さなければ知られることはない。

実の両親にさえ、知られていないのだから。


まだ、大丈夫。

なぜここにいるのか分からないけど、何も話さなければいいんだ。


そう決めて、課長の元へ戻った。

案の定、最初に聞いてきたのは、死んだ理由だった。

答えないでいると、課長は複雑そうな表情をして言う。



「俺は、そこまで嫌われていた?」



その瞬間、違うっ!と声を大にして否定したかった。




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