サヨナラの行方



そしたら、課長の口から信じられない言葉が飛び出した。



「まぁ、反省したから離婚を決めた」


「え?離婚⁉」



思わず大きな声で聞き返してしまった。

一体、何があったと言うのだろう。

結婚して1年は経っているはず。

仲良くやっているならまだしも、離婚って話しになるなんて。



「好きでもないヤツと結婚するべきじゃないって、今更ながらに気づいたから。離婚届と辞表を置いてきた」


「辞表⁉会社、辞めるんですか?」


「辞めるよ。離婚をしない限り、辞める。まぁ、会社に嫌気がさしたっていうのもあるけど」


「ちょっと、いいんですか?上に昇るために結婚したんでしょう?それを捨てていいんですか?」



元々気持ちがないのは知っていた。




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