サヨナラの行方



体を重ねたあと、急に言われた。

その言葉に、私の頭はついていかない。



「悠月と付き合うのは、それなりに楽しかったよ」



それだけを言われて、私たちの関係は終わりを告げた。

次の日から、本当に何もなくなった。

いくら待っても、家のドアは開かない。

今までのことが嘘だったんじゃないかって思うほど、何もない。

“悠月”って呼ばれることもない。

今までの温もりも全て消えてしまった。


そういうことを実感して初めて、終わったんだと思った。

告げられてから、2週間が経っていた。


その時になってようやく涙が流れた。

私は一体、なんだったのだろう。

彼と私の間には、何があったのだろう。

あったのは、体の関係だけ。

恋人と呼べるモノではない。

結局、彼はずっと本気ではなかった。

私は遊び相手でしかなかった。

あっさり捨てられたということは、そういうことなんだ。




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