サヨナラの行方
「生きてますね……」
「何で死んでいるなんて話しになっているの?」
「えっと……」
まぁ、それを聞かれるよな。
だけど、みんなが聞いているこの場で話せる訳がない。
何より、課長に聞かれる訳にはいかないんだ。
「池田、それについては悠月は答えないよ。頑なに黙っている」
私が答えないと、代わりに課長が答えた。
「何でですか?」
「さあな。よほどの事情があるんだろう。
だから、弱いとかじゃないんだよ。たかが、この女にバラされたからじゃない」
睨み付けるように彼女を見る。
弱いって思われていたことに驚くけど。
暴露された時に、何も言い返さなかったからだろうか。