サヨナラの行方

私が急に口を挟むと、彼女は少し驚いていた。

何も言わないと思っていたのだろうか。

言われたい放題する訳がないと思う。



「なっ、何よ。それ以外の理由があるの？あるなら言ってみなさいよ。くだらないことなんだろうけど」


「くだらないことじゃないっ。
あんたがここで騒いでいることの方が、よっぽどくだらない」


「なんですって⁉くだらなくないわよっ。夫婦の一大事よ⁉」


「それに会社まで巻き込むとか、普通はそんなことしない。
誰もがあんたを擁護しない。見て分かるでしょ」


「この一大事に、普通も何もないわっ。使えるものは何でも使うのよ」


「ストップ」



言い合いになってきたのを、急に課長が止めた。

そらも、今回は私を庇うように。