サヨナラの行方



そう言い放つと、全員が常務の方を見る。

常務も分かったようで、こくりと頷く。



「私は、離婚を認めています」


「パパ⁉何でそんなもの認めるの⁉」


「好意を持たないのに、無理強いはよくありません。何より、会社を辞められるのは困ります」


「え?課長、辞めるってどういうことですか⁉」



常務の言葉に、1人の社員が反応した。

イヤ、反応したのは紗希ちゃん以外全員だ。

様子から見て、紗希ちゃんは知っていたらしい。



「この女と離婚するということは、常務を裏切ることにもなる。だからいっそのこと、辞めようと。
全員の前で、不倫を暴露するような会社はどうかと思ったのもあるけど。もちろん、悪いことしているのはこっちだけど」




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