サヨナラの行方
「それは、ここにいる全員が思っていることです。だけど、課長に辞められては困ります。
離婚はどうぞ、して下さい。誰も反対しないと思います」
「ちょっと、何言ってんのよっ」
社員の言葉に、彼女が食ってかかる。
「じゃあ逆に聞きますけど、誰が反対するんですか?ここまでの醜態をさらしといて」
そう言った子を含め、全員が呆れている。
あ、しらけているのか。
やっぱり、会社で騒ぎを起こしたのがまずかったな。
これを見て、彼女を擁護する人はいなくなったのだろう。
おとなしくしていたら良かったのに。
「この状態を見て分かっただろう。
実の父親にも見放され、可愛がっていた社長さえも何も言わない」
「……っ」
「もう、離婚するしかないんだ」