サヨナラの行方
14th*とっくのとうに終わったストーリー
社員と常務、社長が見ている前で、隠すことなく離婚を言い放った。
彼女がどう出るのか、みんなが注目している。
「酷くないですか?仕事を持ち出すなんて。
それを出したら、認めなきゃダメな雰囲気じゃないですか」
凄くまともなことを言っている。
確かに、それも一理ある。
「会社に乗り込んで来たヤツがよく言うよ。
それに、天秤にかけた訳じゃねぇ。離婚もするし、仕事も辞めるって言ってんの」
「私たちは、先ほども言いました通り、離婚は認めています。けど、辞めるのは認めていません」
課長の言葉に付け加えるように常務が言う。
「ほら、辞めさせないために認めているんじゃない。そんなの無効に決まっているじゃない」
「何度言えば分かるんだ?どちらにせよ、仕事は辞める。大勢の前で平気で人を傷つけるような人たちがいるところで、仕事をすることは出来ない」