サヨナラの行方
彼女をほっといて、課長と常務で話しがついてしまった。
それでいいのかと疑問もあるけど、私が首を突っ込むことじゃない。
「課長はホテルですか。悠月はどうするんですか?」
「悠月も連れて行くよ」
「え?」
サラリと、さも当たり前のように言われた。
もうここで終わりだと思ったんだけど、そうじゃないらしい。
「私が色々聞きたかったんですけどねー」
拗ねたように口を尖らせて紗希ちゃんが言う。
「悪いな。全て終わるまで待って」
「分かりましたー。
終わったら、話し聞くからね」
紗希ちゃんが念を押すように言う。
私は、それに頷くしかない。
これ以上黙ったままでいる訳にはいかないから。