サヨナラの行方



俺の身勝手な行動のせいで、部署内全員に迷惑をかけた。

それが分かっているから、頭を下げる。



「そんなに丁寧に謝らないで下さい。
正直驚くこともありましたが、おそらく全員が同情していると思いますし」



その言葉に、周りは頷いている。

同情されるのも、いいような悪いような。



「愛のない結婚も、不倫したことも否定しない。全て自分勝手にやって、結局迷惑をかけてしまった」


「課長、別にいいんです。結婚も不倫も、課長にとっては意味のあるものですし。
大勢の前で、そんなこと話さなくてもいいですよ」



俺がこんな話しをなぜするのか、不思議そうにしている。



「俺は、次こそ幸せな結婚をしたい。だけど、今更信用してもらえないかもしれない。だから、ここにいる全員に証人となってもらいたいんだ」




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