サヨナラの行方



「証人?」


「ここで告白したら、嫌でも信用するよな。まさか冗談をこんな大勢の前でする訳ないし」


「ああ、そういうことですか」



そう頷いて、みんなが悠月の方を見る。

今の話しをしただけで、誰が相手か分かったらしい。

信用してもらえないと言えば、悠月しかいないからな。


でも、当の本人は意味が分かっていない。

自分が見られていることは気づいているらしく、目が泳いでいる。



「悠月」


「え?あ、はい」



この流れで自分にくるとは思っていなかったみたいで、驚いて動揺している。



「悠月にも、今まで色々と迷惑をかけた。酷いことも言ったし、俺のせいであの女に標的にされた。本当に悪かった」




< 283 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop