サヨナラの行方

そもそも、最初に付き合っていた時に、好きじゃないときっぱり言ってしまったはず。

その後、不倫もしている。

そんな中で、信じろと言う方が無理がある。

それでも、今は信じてもらうしかない。



「違うよ。池田に言われたからなら、悠月が死んだと分かった時点で諦めている」


「でも……」


「それに俺は、悠月しか名前で呼ばない。あの女は１度も呼んだことはないし、池田を始め社員だって名前で呼ばない」


「それはっ……」



おかしい。

悠月の様子は、信用していないとかじゃない。

イヤ、信用もされていないと思うけど。

何かと理由をつけて嘘にしたい気がする。

そんな風に見えるのはなぜだ。



「悠月は、今までのことが許せない？それとも、俺のことが嫌い？」