サヨナラの行方
何も言っていない今、答えることは出来ない。
かと言って、ここで全てをさらけ出すことも出来ない。
なんとか、なかったことにしたい。
そう思っていたのに……。
「やっぱり。そんなことだろうと思った」
そんな言葉と共に、和樹が姿を現したんだ。
なぜ、ここにいるのか。
何のためにこんなとこまで来たのか。
だけど、それ以上に驚いたことがある。
こんなとこにいてはダメなモノを連れているんだ。
どうして、何を考えているんだ。
まだ、何も言っていないのに。
課長も紗希ちゃんもそれ以外の人たちも、何者だろうかと不思議そうに見ている。
どうすればいい?
「アナタが課長さん?」
「そうだけど」