サヨナラの行方



「え?あ……池田紗希」


「アンタが“紗希ちゃん”ね」



途中で割って入った紗希ちゃんの名前を聞いて、納得するように頷く。



「それで君は?
まさか、悠月の彼氏……イヤ、旦那、とかじゃないよね?」



その言葉に、周りもざわつく。

まさか、旦那と言われるなんて。

でもそれは、和樹が連れているモノを見てなのだろう。


和樹は、その言葉を聞いて笑い出す。

周りは意味が分からなくて、ポカンとしている。



「まさか、旦那と言われるとは」



ある程度笑ったあと、そう呟く。

でも、そんなの連れているから言われるんだよっ。



「だって、君が抱いているの、どう見ても赤ちゃんでしょ?」




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