サヨナラの行方



「じゃあ、その子は弟くんの子?」


「この子は、俺の子じゃない」


「えっ⁉」



思わず、私が驚いてしまった。

何できっぱり否定しているの?



「この子は悠月の子。それも、課長さんとの」


「待って‼」



途中で止めに入ったけど、すでに遅かった。

和樹の口から、全てを知られてしまった。


どうしたらいいのだろう。

冗談だと笑い飛ばすか。

嘘ですと言うべきか。



「うぇぇぇぇんっ」



私が大声を出したせいか、子供が泣き出した。

それも、本気泣きだ。

なかなか静まらないヤツ。




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