サヨナラの行方
「ちょっと、さすがに無理。悠月、頼む」
有無言わさず、和樹に渡されてしまった。
このままでは何も出来ないためあやすと、みるみるうちに泣き止んだ。
「いくら俺らになついていても、ここまでは出来ないな」
この状況では、嘘だとも冗談だとも言えない。
状況が全てを物語ってしまっている。
もう、どうしたらいいのか分からない。
「悠月……」
課長が呼ぶ声に、ビクッと体中が震える。
「全てを話してくれないか?」
怒っているとも呆れているとも取れない表情で言われる。
いずれは、全てを話そうと思った。
バレるのも時間の問題だし、このままでいるのはズルいから。