サヨナラの行方
男が欲しがりそうな体だから、すぐに男が出来ると思った。
だけど、いた気配はない。
この部屋に来てもそんな気配がないから、俺しか知らない体のままだ。
それがなんだか嬉しい。
俺が刷り込みした通りに動く。
最後にしてから2年も経ってはいるけど、忘れていなかった。
イヤ、していて思い出したのかもしれない。
俺はもう、この体しかいらない。
結婚した相手とヤるなんて考えたくもない。
もう、このままでいい。
これで、十分満たされるし、幸せに思えるから。
「……何で、こんなことしたんですか。
課長、結婚されましたよね?」
全てが終わったあと、彼女はそう俺に問いかけた。
結構無茶したから、彼女はベッドから起き上がれていない。
俺を見ずに、寝転んだままだ。