サヨナラの行方
「だからと言って、許されることじゃないですよね」
「確かにそうだよ。だから、信用出来る相手じゃないといけなかった」
「じゃあ、何で結婚したんですか。結婚しなかったら、誰でも良かったじゃないですか」
「言っただろ。上に行くために結婚したいって。
それが今回叶った」
「だったら、大人しくしていればいいじゃないですか。じゃないと、上がれないですよ」
微かに震える声で、怒っているんだか、心配しているんだか。
結局、悠月は俺をほっておけないらしい。
「誰にも言うなよ。バレてヤバイのは、俺だけじゃないから」
他にもまだまだ言いたそうに見えたけど、唇を塞いで黙らせた。
食ってしまうかのように、深く唇を塞ぎながら、そっと手を握る。