サヨナラの行方
6th*二人の日々も終わる
この日、朝から社内がざわついていた。
特別な来客がある訳でもないのに。
特に、男の目が違った。
いつもは覇気のないような目をしている朝なのに、キラキラ輝かせている。
本当に、何があったのだろう。
だけど、私には関係なかった。
誰が来ようと、私に用はないのだから。
それに、うちの部署にお客の予定もない。
誰か新しい人が来ることもない。
よって、男が目を輝かせていようとも、私には関係ないのだ。
だけどそれは、部署に入るドアを開けたとたん、崩れ去る。
「おはようございます」
普通通りに挨拶をして入るけど、誰1人として気づかない。
みんな、別の方を見ている。
部屋の中央で誰かを囲っているように見える。