全力片思い
「歩く会について話していたの。ほら、柳瀬くんも知っているでしょ? 萌が体力ないこと」
「ちょっと光莉!?」
なにを言い出すかと思えば……!
すぐに止めに入ったものの、話を振られた柳瀬はニヤリと笑った。
「もちろん知っているよ。そういえば中学のときから運動苦手だったよな。マラソン大会憎んでいたし。この高校を選んだ理由もマラソン大会がないからだもんな」
「……うるさい!」
悔しくて唇を噛みしめてしまうと、ますますふたりは笑い出した。
そんなふたりを横目で見る。
確かにこの高校を選んだのはマラソン大会がないっていうのもある。……でも一番の理由は柳瀬が行くって聞いたからだ。
中学三年生のとき、柳瀬に「皆森はどこの高校に行くんだ?」って聞かれたことがある。
その頃には噂で柳瀬がどこに行くか聞いていたから、進路は決まっていた。
今でも鮮明に覚えている。
柳瀬と同じ高校だよって言ったときの、柳瀬の反応を。
嬉しそうに笑って「ラッキー。楽しい三年間になりそう」って言ってくれたんだ。
「ちょっと光莉!?」
なにを言い出すかと思えば……!
すぐに止めに入ったものの、話を振られた柳瀬はニヤリと笑った。
「もちろん知っているよ。そういえば中学のときから運動苦手だったよな。マラソン大会憎んでいたし。この高校を選んだ理由もマラソン大会がないからだもんな」
「……うるさい!」
悔しくて唇を噛みしめてしまうと、ますますふたりは笑い出した。
そんなふたりを横目で見る。
確かにこの高校を選んだのはマラソン大会がないっていうのもある。……でも一番の理由は柳瀬が行くって聞いたからだ。
中学三年生のとき、柳瀬に「皆森はどこの高校に行くんだ?」って聞かれたことがある。
その頃には噂で柳瀬がどこに行くか聞いていたから、進路は決まっていた。
今でも鮮明に覚えている。
柳瀬と同じ高校だよって言ったときの、柳瀬の反応を。
嬉しそうに笑って「ラッキー。楽しい三年間になりそう」って言ってくれたんだ。