全力片思い
「どうして行きたいんだ?」って聞かれたとき、咄嗟に「柳瀬と同じ高校に行きたかったから」って言いたかったけど言えるはずもなく。
さっき柳瀬が言っていた通り「マラソン大会がないから」って言ったんだっけ。
でもまさかそれを今も覚えてくれているとは……。
ちょっと嬉しいかもしれない。
緩みそうになる口元を見られないように下を向き、少しだけふたりから距離を取った。
必然的にふたりの後ろを歩く形になる。
ふたりは歩く会について楽しそうに話している。
やっぱりふたりが楽しそうに話しているところを見ると、少し悲しくなるけれど、以前のように見たくないとか、激しい感情は沸き起こってこない。
「皆森さんって運動苦手なんだ」
「えっ?」
いつの間にか私の隣を歩いていたのは笹沼くんだった。
「……なんか意外」
「意外って……それはどういう意味で?」
「別に深い意味はないよ」
さっき柳瀬が言っていた通り「マラソン大会がないから」って言ったんだっけ。
でもまさかそれを今も覚えてくれているとは……。
ちょっと嬉しいかもしれない。
緩みそうになる口元を見られないように下を向き、少しだけふたりから距離を取った。
必然的にふたりの後ろを歩く形になる。
ふたりは歩く会について楽しそうに話している。
やっぱりふたりが楽しそうに話しているところを見ると、少し悲しくなるけれど、以前のように見たくないとか、激しい感情は沸き起こってこない。
「皆森さんって運動苦手なんだ」
「えっ?」
いつの間にか私の隣を歩いていたのは笹沼くんだった。
「……なんか意外」
「意外って……それはどういう意味で?」
「別に深い意味はないよ」