全力片思い
歩きながら会話を交わす私たち。
二週間前、笹沼くんと手紙のやり取りをした日を境に、私たちの関係はガラリと一変した。
笹沼くんはよく話し掛けてくれるようになったのだ。
最初は戸惑い、会話もぎこちなかったけれど、二週間も経てば自然と話せるようになった。
「あー……でも皆森さんと同じチームにはなりたくないかな」
「なっ……! 失礼な!!」
すぐに声を荒げて抗議すると、笹沼くんは「クククッ」と喉元を鳴らした。
「冗談だよ」なんて言われたけれど、こっちは面食らってしまう。
いつも無表情でなにを考えているか分からない人だった。
挙句に睨まれている気がして、完全に私は嫌われていると思っていたから。
それなのに最近の笹沼くんはどう?
さっきみたいに私の前でも少しだけ笑うようになったし、表情が丸くなった気がする。
柳瀬と光莉が楽しそうに話しているところを見ても、醜い感情を抱かなくなったのは、こうやって隣に笹沼くんがいてくれるからかもしれない。
手紙に書かれていた〝頑張れ〟って言葉通り、さり気なく声を掛けてくれているからだ。
二週間前、笹沼くんと手紙のやり取りをした日を境に、私たちの関係はガラリと一変した。
笹沼くんはよく話し掛けてくれるようになったのだ。
最初は戸惑い、会話もぎこちなかったけれど、二週間も経てば自然と話せるようになった。
「あー……でも皆森さんと同じチームにはなりたくないかな」
「なっ……! 失礼な!!」
すぐに声を荒げて抗議すると、笹沼くんは「クククッ」と喉元を鳴らした。
「冗談だよ」なんて言われたけれど、こっちは面食らってしまう。
いつも無表情でなにを考えているか分からない人だった。
挙句に睨まれている気がして、完全に私は嫌われていると思っていたから。
それなのに最近の笹沼くんはどう?
さっきみたいに私の前でも少しだけ笑うようになったし、表情が丸くなった気がする。
柳瀬と光莉が楽しそうに話しているところを見ても、醜い感情を抱かなくなったのは、こうやって隣に笹沼くんがいてくれるからかもしれない。
手紙に書かれていた〝頑張れ〟って言葉通り、さり気なく声を掛けてくれているからだ。